深谷灸法とはー

 

深谷灸法とは、昭和の名灸師・深谷伊三郎先生は、40年余りの臨床体験の中から築いていった灸療の要道です。古典・名著に広く親しみながらも、臨床体験を通して確認・認識された灸療をモットーとしています。

当研究会の例会では深谷灸法の技術の習得と発展を目的に、実技中心の講座を毎月1回開催しています。ここでは例会の様子を紹介していきます。

 

灸法臨床研究会のあゆみ

 

『治療にすぐ役立つ深谷灸法~普及と発展~』より

 

1963年頃から、深谷先生の渋谷の治療院にて、「臨床研究会」としてお灸の研究会がスタートしました。初期は参加者10名程のごくごく内輪の勉強会でしたが、以後年々会員数は増えていき、例会は月2回開催、地方での例会開催も行われ、深谷先生が死去した1974年時点での会員数は250名以上と、かなりの大所帯でした。

 

深谷先生の死去後、臨床研究会の役員が会を引き継いで1974~1984まで「灸治研究会」として活動、その後、1984からは『図説深谷灸法』著者の入江靖二先生が主宰者となって「灸法臨床研究会」として深谷灸法の普及活動を始めました。

 

当時の例会の内容は、病症に対する灸法の解釈と対応、出席者からの質疑応答等による学習で、灸法に関する古典・現代を問わない資料を数多く引用して教材としていました。

1997年に入江先生が死去後、入江先生の影響を強く受けた福島哲也先生がメインの講師として研究会を引き継がれ、2022年に福島先生が急逝された後、現在は今野裕先生が主任講師として深谷灸法の普及に当たっています。

 

ヨーロッパではフィリップ・カウデット先生が深谷灸法の普及のために研究会を主宰されています。

 

詳細は「深谷灸法継承会」発行の『治療にすぐ役立つ深谷灸法~普及と発展~』をご覧下さい。

 

 

例会について(2024年度)

灸法臨床研究会例会は2024年度は8月・11月・2月を除く毎月第4日曜日(4月・1月は第3日曜日)に両国の江島杉山神社にて深谷灸法の勉強会を開催する予定です。

今年度も4-6月、7-10月、12-3月をそれぞれ1クールとして、3か月分通しの講座を企画しています(単回参加も可能)。3ヵ月で艾しゅを一通り捻って施灸が出来、深谷灸の取穴法もある程度基礎固めが出来るような構成となっております。 

 

お灸好きの一般の方、鍼灸学校の学生さん、これから臨床にお灸療法を取り入れていきたい臨床家の方、すべての方が受講可能です。ただし、実技練習では有痕灸である透熱灸をしますので痕が残るのが嫌な方はご相談下さい。

 

近年、「見学だけ」希望の学生さんもたまにいます。個人の要望には出来るだけ配慮しますが「百聞は一見に如かず 百見は一考に如かず 百考は一行に如かず」とはよく言ったもの、たくさん触ってたくさん施灸を受けて自身の技術として身に付けて頂けると幸いです。

 

 

例会で必要な持ち物

 

灸道具

研究会側でも灸道具の用意はありますが、(なるべく)学校で使用している実技道具や臨床で使用している自身の灸道具をお持ち下さい。

 

※灸熱緩和器(竹筒)はお持ちでない方は研究会でお貸しします。

 

バスタオル

実技時に使用します。会場となる江島杉山神社は畳敷きの本殿をお借りしていますので、床や座布団に火の粉が飛んで焦げを作らないように養生するためにもお願いします。

 

筆記用具

実技時は机を片付けてしまうのでクリップボード等があるとメモを取りやすいです。

 

動きやすい服装

背部や下腿・前腕を取穴する事が多いため、患者着や実技用の服装が望ましいです。

 

2024年度講座内容について

2024年度の日程です。

細かい実技内容は変更になる場合がございます。

 

4-6月期講座

7-10月期講座

12-3月期講座

※新間先生ご高齢のため、今クールより新間先生の実技供覧は中止となりました。

※1/19の症状別実技は産婦人科疾患と上肢の整形疾患の施灸法実技を行います。

※3/23の症状別実技は皮膚疾患と下肢の整形疾患の施灸法実技を行います。

 

※深谷灸法書籍全巻購入者特典は上記どれか1コマが無料で参加出来ます

 

会場:江島杉山神社本殿

   東京都墨田区千歳1-8-2

      JR両国駅徒歩6分 地下鉄大江戸線森下駅徒歩6分

 

お申込み・詳細はこちらから

 

 

10:00~12:00 深谷灸法(施灸技術)実技

  

目標:深谷灸法で使用する艾しゅを硬軟自由に捻る事ができるようになる

   一定のリズムで艾しゅを捻る事ができるようになる 

   どの部位でも艾しゅを立たせる事ができるようになる

 

→本講座は深谷灸法の施灸技術の基礎を3回でマスターする事を目標としています。

艾を捻った事がない方でも、3回の講座と自宅での練習によって、最終講義日までには艾をきちんと捻る事ができるようになります。最終講義日には、艾の熱曲線が測れる機械を使用して、自分の艾の燃焼温度や熱の入り方が講師とどれくらい違うのか等を客観的に判定する機会があります。

 

→基本的には3回通しての参加をオススメ致しますが、単回参加も可能です。

 

 

13:00~16:30 深谷灸法(取穴技術)実技

 

目標:深谷灸法がターゲットにしている「反応点」を正確に取穴する事ができる

   竹筒(灸熱緩和器)を正しく使う事ができる

   名灸穴を的確に取穴する事ができる

 

→本講座は深谷灸法でターゲットにしている「圧痛硬結」を的確にとらえる取穴の技術の向上のために、3回シリーズで学んでいきます。初回は深谷灸法の基本的な考え方である「基本十項」について解説し、深谷伊三郎先生直伝の新間先生の取穴法を実演デモで見て頂きます。2,3回目は具体的な症状別の名灸穴を紹介しながら、「圧痛硬結」を的確に捉えるための実技を中心に反復練習していきます。

 

→基本的には3回通しての参加をオススメ致しますが、単回参加も可能です。

 

 

 

本研究会は年会費等はありません。都合の付く月や興味のある内容の時に単発で気軽に参加する事が出来ます。

 

お申込み・詳細は講習会のお申込みへ。